「カインとアベル」鈴木啓明宣教師–2023.03.19


「カインとアベル」
創世記4:1-16;鈴木啓明宣教師

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今日の聖書箇所は、兄弟が互いに愛さなかった事が書かれています。カインは地の作物を神様にささげ、アベルは羊の初子の中から最良のものを神様にささげました。神様はアベルのささげ物に目を留められました。アベルは羊の初子の中でも最も良いものをささげたからです。私達が奉仕するときも、最良のものをささげるのが原則です。私は子供の日曜学校でも教えていますが、教える対象が小学生であれ、時間を掛けて準備をして教えています。子供たちも準備をしていない先生には目を留めません。日曜学校の奉仕であれ、掃除の奉仕であれ、最良のものをささげなくてはいけません。

 神様は最良のものをささげなかったカインに対して、怒っているわけではありません。ささげ物に目を留めなかっただけです。カインは自分のために最も良いものを手元に残しました。最良のものは自分のものという考えでした。カインは農作物は神様の恵みによって収穫されることを知っていました。その証拠に、地の産物を神様にささげています。しかし、神様を知りながら、自分が中心なのです。私達が最良のものをささげているか否かは、聖書をどう読んでいるかでわかります。聖書の言葉に対する態度、神様への態度でわかります。カインは神様よりもアベルよりも自分が一番と思っていました。私達はどんな人のメッセージでも聞いているでしょうか。メッセージを語る人で、集会への参加不参加を決めていないでしょうか。どんな人がメッセージをしても、耳を傾ける態度が必要です。

 カインは神様から罰を受けても、一言も悔い改めませんでした。自分の安全しか考えていませんでした(14節)。自分が一番なのです。ささげ物がきっかけで殺人事件に発展したのです。とても些細なことがきっかけでした。教会の分裂も、きっかけは些細なことから始まります。兄弟姉妹の間の誤解や言葉使い、事実と異なる噂などがきっかけで分裂を引き起こします。家族の間の喧嘩も、些細なことがきっかけであることが多いのです。

 あなたが正しく行ったのであれば(7節)が分裂を避けるヒントです。自分が正しい行いをすることが神様へのささげものです。周りの人が不正をしているのに目を留めるのではなく、自分の正しい行いに目を留めるのです。神様は私達のささげ物に目を留めてくださいます。周りが私達を認めてくれなくても、神様は認めてくださいます。

 カインとアベルの両親、アダムとエバは同時に二人の息子を失いました。アベルはカインに殺され、アベルは追放されたからです。アダムとエバの結婚生活に大きな圧力がかかったと思います。兄弟姉妹の不和は家族全体に大きな影響を与えます。同様に、兄弟姉妹が分裂すれば、教会全体に影響を与えます。聖書の偉大な人物であるダビデやヤコブも家族の問題に悩まされました。

 カインは、神様から「なぜ怒っているのか」と聞かれたときに、悔い改めるべきでした(6節)。私達も道を誤るとき、教会のリーダーや聖書の言葉から指摘を受けるなら、そこで悔い改めればよいのです。もし指摘を受け入れないなら、それは教会の分裂に繋がります。

 カインはさすらい人になりました(12節)。私達も自分の嗜好にあう教会を探すことがあります。それこそが自分が一番だと思っている証拠かもしれません。

 親がこの世を去る時、兄弟仲良く助け合って暮らしてほしい、と子供たちに言い残すはずです。それが親ののぞみだからです。弟アベル(8節)、あなたの弟アベル(9節)、あなたの弟の血(10、11節)とアベルはカインの弟であることを強調しています。教会は兄弟姉妹で成り立っています。もし、兄弟姉妹を愛さないならば、分裂に繋がります。兄弟姉妹が互いに愛し合うことを神様は期待しています。