「クリスマスの前の恵み」鈴木啓明宣教師–2021.12.19


「クリスマスの前の恵み」
ルカの福音書1:5-23;鈴木啓明宣教師

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 間もなくクリスマスを迎える。本日はイエス様がお生まれになる前の出来事について着目したい。イエス様のために道を整えられた、バプテスマのヨハネの誕生についてである。7節にある通り、ヨハネの母であるエリサベツは不妊の女であり、既に年をとっていた。そんな中、御使いが夫であるザカリヤに現れ、エリサベツが男の子を生むことを告げる。しかしザカリヤはこの言葉を信じず、しるしを求めた。そして彼には、ヨハネが生まれるまで、言葉を話せなくなるというしるしが与えられた。この話から、神様がクリスマスの前に与えられた数々の恵みについて分かち合いたい。

 ①神様の計画の成就は人の能力によらない。エリサベツは不妊の女と書いてある。そのような彼女が出産するのは人間の能力を遥かに超えている。即ち、ヨハネの誕生という人間の能力を超えた出来事を神様は成就してくださった。そして、今日神様は私たちの教会にも良い計画をお持ちであり、それをどんなことがあっても成し遂げてくださる。今はコロナの影響で、主任牧師となる林先生が入国できていない。しかし、だからといって神様の計画が揺るぐことは決してない。共に、林先生が入国できるよう、また、主任牧師がいなくても、本教会が守られるよう、祈ろう。

 ②神様の計画の成就は人の信仰によらない。ザカリヤは御使いの言葉を信じなかった。しかし、それでもヨハネが生まれるという計画は成就した。信仰に浮き沈みがある私たちにとって、これは喜ばしいことである。一方、どうせ計画が成就するなら、信じなくても良いのでは、と思ってはいけない。なぜなら神様は人間を愛しているが故に、計画を成し遂げる際、人間を用いたいと願っているからである。今夏、家族を連れキャンプへ行き、そこで子供たちに火を起こすことに挑戦させた。自分でやった方が遥かに効率的だが、それでも子供たちが協力しながら火を起こすのを見られたのは大きな喜びであった。神様は忍耐強いお方であり、私たちが失敗すると分かっていても、ご自身の計画に招いてくださる。そしてその招きに応答するのであれば、マタイ25:21にあるように、私たちは神様に褒められ、より信頼され、また神様と共に喜ぶことができる。

 ③神様は悔い改めへ導いてくださる。ザカリヤは不信仰により口が利けなくなった。しかし、それは、ザカリヤが神様の言葉を聞くことの大切さを学ぶことに繋がった。私たちは他人を戒めたり、罰を与える時、自分のうっ憤を晴らしがちである。しかし、神様は人間が学ぶように戒めてくださり、同じ間違いを犯さないように導かれる。また、ザカリヤに「これらのことが起こる日までは」と伝えた通り、いつまで口が利けなくなるのかも説明し、不安を取り除いている。これらは全て神様の恵みによるものである。

 ④神様は人の祈りを忘れていない。ザカリヤに対し、御使いが放った最初の言葉は「こわがることはない。ザカリヤ。あなたの願いが聞かれたのです」であった。恐らく、ザカリヤは若い頃に、神様に子供が欲しいと願っていたと思われる。そして、年をとったことにより、諦めていたか、その願いをしたことさえ忘れていたかもしれない。しかし、神様は私たちの祈りを忘れていない、仮に私たちがその祈りを忘れていたとしても。これも恵みである。

 イエス様がお生まれになる前から、神様は私たちに溢れる恵みをお与えになられた。そして、クリスマスに最高の恵みであるイエス様を与えてくださった。確かにコロナによる影響もあり、2021年は試練が多かった一年かもしれない。しかし、同時に2021年は主の恵みに満ち溢れた年でもあったのではないか。ぜひ聖書を基に、主の恵みを振り返っていただきたい。そして、一人ひとりが喜びと感謝の気持ちを持ち、クリスマスを迎えられるよう、願っている。