「苦しみの中で」姫井雅夫牧師–2021.10.17


「苦しみの中で」
詩篇18:4-6;姫井雅夫牧師

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 今私達はどんな気持ちで礼拝に出席していますか?神様は私達のすべてを見ていてくださり、礼拝をしている私達をもご覧になっています。私達は神様の御前に喜びの笑顔で礼拝を捧げましょう。

 しかし、私達には感謝できない時もあります。去年から今年にかけてはどんな時だったでしょうか。私は2020年の東京オリンピックに向けて、ミッションの働きの準備をしていましたが、オリンピックは2021年に延期になってしまいました。人生にはこのように思いがけないことが起こることがあります。どうしてこんな事が起こるの?と思ったことはありませんか。人生には苦しいことや悲しいことがあります。苦しいことや悲しいことをどう乗り越えるかが、私達の課題です。

 詩篇18篇はダビデによって書かれた詩です。これはダビデが敵であるサウロ王の手から逃れたあとに書かれました。サウロ王は多くの戦いをし、サウロのために戦ったダビデは勝利しました。故郷に凱旋すると、民衆は「サウロは千を打ち、ダビデは万を打った」と彼らを迎えます。それを聞いたサウロは、自分が王なのに千で、ダビデが万ということは、ダビデに王位を奪われると思うようになりました。サウロはダビデを殺そうと思い、逃げるダビデを追うようになりました。ダビデはサウロの攻めにどう対抗したのでしょうか。
 
 死の綱は私を取り巻き、滅びの川は、私を恐れさせた(詩篇18:4)。
 よみの綱は私を取り囲み、死のわなは私に立ち向かった(詩篇18:5)。
 
 ダビデには次々と押し寄せてくる問題がありました。ダビデはサウロ王に見つけられれば殺される状況の中で、この詩を書いています。コロナ感染拡大の中で、同じような体験をした人がたくさんいることでしょう。いつコロナに感染してしまうか、ワクチンは打ったけれど、気をつけないと感染してしまいます。コロナ感染によりなくなった人がたくさんいました。職を失ってしまった人もいます。出勤も制限されたり、商店街に人通りが少なくなりました。店を閉めてしまったところもたくさんあります。同じようなことを世界中の人が体験しました。

 突然思いがけなく悲しみや苦しみにあったとき、ダビデは恐れました(4節)。ダビデは苦しみの中で、主を呼び求めました(6節)。
 
 私は苦しみの中に主を呼び求め、助けを求めてわが神に叫んだ。主はその宮で私の声を聞かれ、御前に助けを求めた私の叫びは、御耳に届いた(詩篇18:6)
 
 人生の問題の解決に、お金や地位、権力、学歴、健康を求める人がいます。ダビデは条件が整っていたにもかかわらず、自分の知恵や力に頼ろうとしませんでした。サウロに追われているダビデは、主を呼び求めました(6節)。お金や弁護士、知人ではなく、主を呼び求めたのです。私達は友達に頼むから教えてほしい等と、お願いをするときがあります。試練にあって苦しみの中で慰めてほしい時に、手が忙しくて電話がなかなかつながらないこともあります。しかし、主を呼び求めて聞かれないことはありません。神様が忙しくて私達の叫びを聞く暇がないということはありません。私達に問題があるとき、嬉しいとき、主を呼び求めれば「忙しいから後にして」と言われることはないのです。神様はきちんと聞いてくださいます。

 ダビデが苦しみの中に主を呼び求め、助けを求めて叫んだ(6節前半)結果、主はその宮で私の声を聞かれ、御前に助けを求めたダビデの叫びは、御耳に届きました(6節後半)。神様は私達の叫びを聞いてくださいます。母の胎内にいるときから知っている私達に手をのばしてくださいます。私達の叫びにすぐに応えてくださいます。回線が混み合っているから後で掛け直せとは言いません。

 サウロに追われていたダビデは神様に祈り、祈りの声はちゃんと神様のもとに届きました。今、なにか問題をかかえているならば、ダビデのように主の御名を呼び求めましょう。神様から慰めを得て希望と力が与えられるよう祈りましょう。